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リオ会議でもっとも衝撃的なスピーチ:ムヒカ大統領のスピーチ  で思うこと。

リオ会議(Rio+20)は環境の未来を全世界で決めて行く会議で、そこでウルグアイのムヒカ大統領の演説が話題になっています。グローバリゼーション、強欲な世界資本主義、消費社会の価値観に対し、真っ向からNoという、とても感動的なプレゼンテーションですが。(この方、ライフスタイルも主張も今話題の坂口恭平 独立国つくっちゃったあの方によく似ているように思います。)

ただ、その演説の中での最もキャッチーな言葉
「質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。」
これに僕はひっかかってしまったのです。イイネが押せない。

原発事故が起きた直後、僕のまわりにも「この事故をきっかけにいままでのエネルギー浪費型ライフスタイルを改めなければならない」という人がワンサカ出てきたわけですが、このロジックはそのまんま裏返すと「電気をワンサカ使うんなら原発に反対するんじゃねえ」になると思うのです。で、それおかしいだろ、原発じゃない方法で発電して電気好きに使ってやろうじゃん。そうすれば、太陽光発電つけたりエネファームつけたりして新しい消費が増えて「資本主義の、消費文明のまんまでも、環境にいいことできるじゃん、別にそこのところの価値観変える必要ないじゃん」というのが、僕の主張だったわけで。

ムヒカ大統領もそこのところはちゃんとわかって話をしていて、「我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。」と言っている。だから、そういう意味で、ムヒカ大統領の発言は首尾一貫し論旨明確なのですが。僕はそのことに「そうだそうだ」と言っている日本の人に、「あなたほんとにそうだそうだなの?」という疑問を正直持っているのです。

たとえば、今日は久しぶりに関東地方も蒸し暑かったわけですが、このムヒカ発言にそうだそうだ、というライフスタイルは、「エアコンつけずに暮らします」だとおもうわけですが、我が家は天気のいい夏の日は太陽光も発電ガンガンするので、家じゅうで3台エアコン稼働しても、なお、毎時2KWは売電していたわけです。エアコン我慢せず、電力を供給してOKだったのです。

話は飛びますが、坂本龍一さんの「たかが電気のために」発言が話題になり、産経が攻撃し、みたいなことがつい先日あったわけですが、「たかが電気」というのがイコール「電気いらない」みたいに勝手に受け取って批判する人がいるのはまったくちゃんちゃらおかしいですよね。だって坂本さん、電気自動車リーフの広告タレントなんだぜ。YMOって電気なしじゃ音楽にならないんだぜ。
これについては、原発事故直後に私の知人がすごく的確につぶやいていたのを、記憶をたどって再現すると
原発と言っても結局、蒸気でタービンまわして発電するわけでしよ。たかが、発電機のタービン回すために、なんでわざわざ原子力みたいな、いったん事故がおきたら取り返しがつかず、廃棄物の処理方も確立していないものを使う必要があるの?。たかが発電機のタービン回すんだったら、他にもいくらでも工夫すれば方法があるでしょ。という「たかが電気=たかが発電機のタービン回すために原子力必要あんのかよ」という意味と考えるのがただしくないですか。

ということで、ブーンと遠回りして、ムヒカ大統領の
「質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。」
に対する私の答えは、まず、みんな自分の身近で、再生可能エネルギーを使って発電する。そしてその電力の範囲で動く効率のよい電気自動車に乗る。こういう設備が、無理なく買えるように技術と産業が発展する。その発展速度と、インドの人の欲望拡大がうまくバランスすれば、大きな環境問題にはならない。です。インド人だけじゃなく、これから人口がもっともっと増えるアフリカの人も、みんな自動車、持てるもんなら持ちたくなるんじゃないかしら。そんなみんなが持っても大丈夫なエネルギーと車の技術と産業を、がんばって日本人は開発していこうよ。

また話が飛びますが、1980年代終わりころに、シンクタンクで未来予測の仕事をしていて、あの、糸川英夫博士にインタビューしにいったことがあるのですが、糸川先生の意見は「これからは分散型システムの時代になるよ。発電も通信も。たとえばインドネシアみたいな島だらけのところだと、大きな発電所から送電網を国中にめぐらすのはコストがかかりすぎる。電話も一緒。分散型の小型発電所、衛星を利用した無線電話網。先進国ではすでに中央集中型の社会システムができあがってしまっているけれど、発展途上国では、はじめから分散型の社会システムを作った方がずっと効率がよい」ということを、なんと20年以上前にお話しされてました。当時20代かけだしの僕はよく意味するところがわからなかったけれど。アフリカの発展途上の国で、携帯電話が、サバンナや砂漠での部族生活をしているような人たちにまで爆発的に普及しだしていることなんか考えると、ほんとにそうだな、と思うわけで。

これから発展する国は、欧米を追いかけるような、欲望をエンジンにする消費社会には変化すべきでない、というムヒカ大統領の意見は美しいけれど。でも、人間の欲望はそれを超えて強いんじゃないか、というのが僕の意見。携帯電話の便利さも、自動車がくれる移動の自由の快楽も、それはもし手に入るのなら、これから発展する国のひとだって、手に入れたいと思う。それは抑えられないのじゃないか。だからこそ、そうであっても、環境に負荷をかけない技術を開発していく。それを普及させ、価格を下げていく、その営みが必要なんではないか。

あの0円ハウスの坂口恭平さんだって「移動」は大事。といって、世界中を、日本中を飛び回っている。(クルマじゃなくて飛行機でだろうれど、飛行機はクルマよりもっとエネルギーを喰うよ)。そして携帯電話の番号をツイッターで公開して、「いのちの電話」として一日中、日本中のひとからの悩み電話にこたえている。

話がとっちらかってしまったけれど、このブログを始めた動機=「原発反対するなら電気使うな」という荒っぽい理屈への反発は、同時に「この事故を契機に、消費社会の価値観を見直す」論に対する反発でもあったのだ、ということをムヒカ大統領のスピーチと、それに対する「賞賛の嵐」に対する違和感から、思い出しました。というブログでした。

ちなみにムヒカ大統領スピーチ日本語版は
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/
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エネファームは得なのか、について

「なずなんさん」から、エネファームの使い勝手や経済性について教えて、というご要望があったので、ちょっといろいろ数字をひっくりかえしてみました。

ガス使用量昨年今年比較.png
まず、ガス代は、エネファームが稼働した7月以降で昨年(未稼働)と今年(稼働後)を比べると、夏場の8,9,10月は、1.5倍にガス使用量が増えています。が、床暖房を使う11月のになってからは、5%増程度に差は減っています。(が、これは、今年の11月が例外的に暖かかったために、床暖房使用量が少なかったのかもしれません。)
いずれにせよ、エネファームを設置すると、夏場のガス使用量は1.5倍程度に増えるが、秋冬の床暖使用期には10%前後に増加量は抑えられそうです。どちらにせよガス代は増加します。11月では昨年比593円、最も増加の大きかった10月では3758円ガス代は増えています。

 
一方で、昨年と違い、今年は発電することで電気代を節約できているので、燃料電池発電量を電気代に換算すると、11月で8853円分発電しています。つまり、ガス代が593円増えただけなのに、電気代にして8853円分発電しているので、収支8260円、11月は収支プラスということです。7月から10月はじめまでは燃料電池発電量が計測できなかったので、11月分からの推計になりますが、稼働時間が11月は1日13時間、7-9月は1日10時間だったので、8853×10/13=6810 ということで、10月は途中から稼働時間が13時間に延びたので間をとって7600円くらいは発電した、と推計すると、7月-11月の5か月間で26800円くらいのプラスが出ている、ということになります。年間推計すると、冬場がどうなるかはいまのところ不明ですが、単純月平均で計算すると26800円×12/5=約64000円が、年間でエネファームにすることで得する光熱費、ということになります。

燃料電池収支7月11月.jpg

一方、設置費用は240万円に対し、補助金が105万円出るので、実質負担は135万円。普通の床暖房までカバーできる容量の給湯器は35万円くらいですから、差額は100万円。
エネファームも耐用年数はおそらく10年くらいだと思いますので、1年あたり10万円得しないと、元がとれないのに対し、上で計算したように。年間得する金額は6万円くらい。とすると、うーん、もとは取れないのかなあ。

冬場の発電量が大きいことを考えると、年間の光熱費削減お得効果は6万4千円よりは10万円に近付きそうなので、10年使えば、トントンくらいにはなるかもしれませんが、「絶対お得」とは今のところ断言できないです。

ただ、ガス使用量の増加に対し、発電量が大きいようなので、(ガス使用量はちょっとしか増えないが、発電は0だったのが、ガーンと増える)ことから、エネルギー効率は高く、CO2削減には全体としては寄与するのは確実と思われます。

それから、運転音は、基本、しないようです。すくなくとも、かなり静かです。普通の湯沸かし器が置いてあったときの方がうるさかったと思います。燃料電池については。燃えているのではなくて、化学反応しているだけなので。ただし、燃料電池で作ったお湯は、我が家の場合、すぐなくなってしまう(家族が多くて風呂シャワー人数がものすごく多い)ので、その場合、補助ガス湯沸かし器で普通にお湯を作りますが、このときは湯沸し器としての普通の運転音はしているようです。

妻の報告ですが、エネファームが設置してある家の裏庭のあたりを掃除していたら、道端を通りかかった見知らぬ60過ぎの男性が、「お、それ、東京ビッグサイトに展示してあった、ガスで発電するやつだね。今、見てきたところなんだ。いくらするの?どんな具合だい?」とすごく興味深げに話しかけてきて、しばらく立ち話をした、ということでした。原発事故、計画停電以降、太陽光発電にもエネファームにも、年配の方もすごく興味をもって、いろいろ庭先で話しかけられることが多い、ということです。妻が、なんとなく、話しかけやすいタイプの、ポワンとした人だということもあると思いますが。


ついに全部工事完了。発電量・使用量など正確に把握できるようになりました。 [プロジェクト進捗報告]

3か月近くごぶさたしてしまいました。いろいろほんとにありましたが、工事終わりました。

前に報告していた
情報パネルにエネファーム発電量や水道使用量が表示されない問題や、
太陽光発電に伴うアンテナ新設移設工事がいろいろあって、
(太陽光発電パネルにアンテナの影が落ちると発電効率がすごく落ちる、ということで
アンテナの形や設置位置をいろいろ工夫して機器や位置を選んでいたのが
施工してみたら思い通りにならす゛・・・)
水道パルスメーターが特注品で新規発注しなおしたり、
アンテナをつなげてみたらスカパーアンテナ(これも4地点同時視聴可能な特注品だった)が
調子が悪くて、とか
なんというか、祟られたようにつぎつぎと不調が続きましたが、10月28日に、ようやく全工事完了しました。

さて、正確に情報が取得できるようになったのが10月12日から、ということなのですが、
8月以来の各種データを、一部推計補正しつつ、1日あたり平均値で月ごとに比較すると
発電量 表.jpg
ということで、
●太陽光発電量は8月から11月にかけて日照時間が短くなるので、やや減少するが、
●エネファーム発電量は(水温が低下するので、お湯を同量作るのにたくさんガスを使うので)寒くなるにつれ、発電量は増える。
●よって、太陽光とエネファームを合わせた一日当たりの発電量は8月から11月でも微減。予想したほどは大きく減らない。
●一方電気使用量はエアコンを使わなくなるので、夏が終わると大きく減る。
●売電量は8月より9月が増加、9月10月はほとんど変わらない。
●東電からの購入量は秋になるにつれ、大きく減る。
●秋になると売電と購入の差し引き収支は売電量のほうが量的にも大きくなり、プラス。
電気量折れ線グラフ.jpg

電気量棒グラフ.jpg

という状況であることが、ようやく判明。

太陽光は温度が低くなっても、天気の良い日はがんがん発電しています。
エネファームは気温が低くなると一日13時間くらい発電するようになりました。
ガス代はそれなりにかかっていますが、電気代ガス代トータルではかなりの光熱費減少になっています。

新聞記事によると、停電時にも蓄電池と組み合わせて発電が継続されるエネファームと太陽光発電組み合わせシステムが来年はじめには発売される予定です。それが発売されてから導入すればよかったかなあ、と思います。が、後付け改造にも対応はしてくれそうなので、また検討してみようと思います。

1か月以上ご無沙汰しました。太陽光発電始まりました。 [プロジェクト進捗報告]

6月末にエネファーム発電を開始してから、7月末に太陽光工事が始まり、そして発電開始は8月3日。
だったのですが、工事がなんだかとても大変だったのと、仕事がものすごく忙しくなったのとで、ブログお休みしてしまいました。

実は工事は完全には完了していなくて、太陽光発電側につけた、すべてのエネルギー状態を監視するモニターに、エネファームの発電量が認識されない、というトラブルが解決しておらず、「こんなエネルギー収支になっているよー」ということをうまくご報告できない、という事態になっているのです。

今回、エネファームは東京ガスに、太陽光発電はへーベルハウスに別々に発注し、それを、太陽光発電に付属するパナソニック製コントロールパネルというので全部モニターしよう、という計画にしたため、ガス側工事とへーベル側工事はそれぞれ別、連携を取るのが難しい、トラブルというか、わからないことが起きた時、どっちにどうしてもらえばいいかよくわからん、という事態が工事途中からどんどこ発生し、今も、このエネファーム発電量をパネルが認識しない問題をどう解決するかはお盆明けに持越し、という状態になっています。


それに限らず、エネファームも太陽光発電も、それをモニターするシステムも、最新型を欲張って全部つけちゃおうとしたところ、「実はどういう仕組みなのか、売る側、東京ガスさんもへーベルからくる電気屋さんも、この機械つけるの初めてなんです」ということがいろいろ出てきて、みんなで勉強しながらゆっくり前進している感じです。

なにはともあれ。おおよそ、太陽光発電とガス発電で、我が家の電気はどれくらいまかなえているのか、ということについて、報告しますと。

8月3日以降今日までというのが、
8月4日から6日が曇りがちで気温があまり高くなく
7日から猛暑が戻ってきて、7日8日は、ただし午後から夕立が起き、日照時間は短い日が続き
10日11日と猛暑ピークになり、晴れている時間が多くなった。

という条件だったので、

①エネファームは、なぜか、きっちり、1日10時間しか発電しません。我が家の場合、家族7人が一日中シャワー浴びたり、料理したりで、お湯は大量に使うので、貯湯タンクはけっこういつも空になるので、もっと発電してもっとお湯もためてくれたらよかろうに。と思うのですが、自動運転にしようと手動運転にしようと、何をどう工夫しても、きっかり10時間で発電終了になります。「そういう設計なんですか?」と何度も東京ガスさんに質問するのですが、「学習機能で最適な時間を計算するので、冬場はもうすこし発電するのですが・・・」ということで、真相はよくわかりません。いずれにせよ、0.75KW/Hで、立ち上がりと終了時に効率が落ちるので、1日の発電量はおよそ6.9Kwというのが、ここ1月半の平均的数値です。

②太陽光は、発電しているときはかなりパワフルで、パネルのカタログ値最大4KW/Hですが、快晴の昼間では2.6KW/Hは発電してくれます。明け方、明るくなるともう発電を開始し、朝6時台で、もうエネファームより発電量は多くなり(0.8-0.9KW/h)朝の八時には2KW/H、晴れていればこの水準が夕方まで続き、一日の発電量は、終日曇り、雨の日でも13-15KWと、エネファームの倍くらい、晴れ、ときどき曇りで22-3KW前後です。

③ということで、1日の発電量は雨曇りで20KW、晴れている日で30KW程度、というかんじです。

④そして、我が家の電気使用量は、雨曇り涼しい火には23KWくらい、暑い日には35-38KWくらい

⑤なので、1日収支で言うと、1日3KWから8KWくらいを買っている、という状態です。

⑥太陽光発電が稼働している時間帯は、電気は買っておらず、売電しています。雨曇りの日も毎日かかさず3KWから12KW売電しています。

⑦夜間はエネファームも発電せず、太陽光は当然発電しないので、夜間の電力は買っています。昼間たくさん売り、夜たくさん買っての収支が、だいたい、毎日3から8KWくらいの買い超過、というのが、ここ10日間、夏場エネルギーピークの我が家の電力収支でした。


resultGraph_4122.jpg電力収支のグラフを張りましたが、冒頭書いた通り、エネファームの発電が認識されていないので、赤い部分「買電力」のうち、毎日6.9KWは実はエネファームで発電して、買っていない、ということです。


つけてみての感想は
①太陽光発電は予想以上にパワフル。夏場の猛暑時に、家じゅうでエアコンつけても、おつりが来て売電できる。しかも、明け方から夕暮れまで、エネファームよりパワフルに発電し続ける。雨どしゃぶりのときは発電しないが、薄曇りなら、エネファームよりパワフル。

②だから、「夏場のピーク電力カット」には、太陽光発電はすごーく役に立つ。

③「再生可能エネルギーは力が弱い」イメージが原発推進派メディアは発し続けているけれど、つけての感想は「不安定だけとパワフルだよー」ということ。すくなくとも一戸建ての人は、つけてしまえば、夏場の猛暑のときにはエアコンがんがんつけても、東電から電気、ぜんぜんかわなくて大丈夫になる。

④エネファームは我が家向けには非力だなあ。と思うが、10時間、安定して0.75KW発電し続けてくれるので、今は太陽光と同じタイミングで発電させて、太陽光余剰分を売電する量を増やす、という使い方をしているけれど、太陽光発電しない夜間に発電時間を設定すれば、電灯つけてエアコン一台と冷蔵庫と液晶テレビを見る、くらいの生活はエネファームで可能。「非力だけれど、安定感ばつぐん」、。あとは、発電時間を「勝手に学習して時間で止まっちゃう」じゃなくて、12時間くらい発電してくれれば最高なのだが。

⑤太陽光のパワフルさを、「売電」ではなく、「蓄電」するようにして、夜間使用に回せば、夜間購入する電力はさらに削減ができる。


ということで、やはり、蓄電池の導入は、真剣に検討しなくちゃ、なのでした。


そして、これを日本の国全体の縮図として考えると、再生可能エネルギーは「思ったよりパワフルだけどたしかに不安定」と「火力はCO2を考えると依存度をあまり増やすのは好ましくないけれど、安定しているし、調整が聞く」を組み合わせれば、脱原発は中期的には、可能なんではないか、との思いを強くしたのでした。

エネファームが発電開始 [プロジェクト進捗報告]

今日からエネファームが発電を開始しました。

東京ガスの燃料電池コジェネユニット、エネファーム、設置工事は22日23日に終了していて、給湯運転はしていたのですが、発電は、東京電力の系統連系工事、というか、送電線に逆流しないかチェックをして、はじめて開始できるということで、それが今日の昼間に終わって、発電開始です。

まず、燃料電池の発電というものが、都市ガスから水素をつくりだし、それを空気中の酸素と化学反応させて、電気分解の逆プロセスなので、発電する、ということが理屈なのですが。普通「水素と酸素が化学反応」といつたら、それは、水素が燃える=ポンっといって爆発、のはずなのですが、それをじわーーーん、とゆっくり反応させることで、じわーーんとゆっくり発電させる仕組みが燃料電池ということらしいです。なので、東京ガスの子会社ライフバルの方は朝の10時から来てじわーんと発電開始させて、東京電力の方は昼の二時に来て、いい感じて発電できている状態をチェックする、という、不思議な段取りで行われたらしいです。実は私、仕事で出かけていて、妻が立ち会いました。

で、送電線に逆流しないかのチェックというのも、発電マックスしている状態=0.75KW、で、家の中の電気製品をどんどんオフにしていって、消費電力を落としていき、発電電力余剰状態にして、電力があまっていても、外に漏れない、というのをチェックしたのだそうです。

はずかしながら、我が家は、事務所併設なのと、子だくさんなのとが合わさって、いつもフル稼働しているわけではないいですが、電気製品だらけ、電気ジャブジャブ使い世帯なので、とにかくいろいろかたっぱしから消していったところ、冷蔵庫とエアコン1台はオンのままで、発電余剰状態になりました。で、無事検査合格で、発電開始したわけです。

で、エネファームにはリモコンという室内のコントロールパネルがあって、いろいろな表示モードが切り替わるのですが、その中に「今の発電量と、東電から買っている電力量」が並列表示されるモードがあって、これが妻の節電意欲をいたく刺激した模様。
 検査合格状態だと、東電からまったく電気を買っていない状態で、それでエアコンと冷蔵庫が動いていた(昼間なので電灯は全部オフだったのもあると思うのです)。やった、電気買っていないのに、エアコン動いている!というのがすごくうれしかったみたいで。(すでに定常運転状態だったから、起動電流問題も関係なかったみたいで)。欲張り妻的には、「でも、せっかく0.75kw発電しているのに、それより少なくしか使わないのも、損してるじゃない。だってエネファームで発電した電気は東電に売れないんだよ。だから、発電しているときは、ちょうど0.75kw分使わないと損しちゃう」ということで、エアコン設定温度を微妙に変えてみたり、いろいろ工夫して、「東電からは買わない。でも発電分は使い切る」に挑戦し続けたようです。

そして、「冷蔵庫は最新型の省エネタイプにした方がよい」「IH炊飯器はすごく消費電力がおおきいからガス炊飯器に変えた方がよい」など、さらに消費意欲が刺激されています。「省エネは大事だが消費は拡大したほうが日本経済のためには良い」をわが妻、全力で実践中。

太陽光発電は工事が7月末、系統連系は8月10日前くらいということで、真夏のピークにどの程度自前で電力をまかなえるかの実験は、もう一月先になりますが、とりあえず、エネファームをいろいろ使ってみての報告は、これからひと月、いろいろしてみたいと思います。

ちなみに6月27日の発電量は279.JPG

発電6.5KW、購入8.4KW 14.9KW328円中 143円分を発電できました。

訂正いくつかと、太陽光パネル新型に、と、赤いバラの話。 [プロジェクト進捗報告]

「太陽光パネル、京セラさんの新型が工事に間に合って、1枚当たり6W発電量が増えます。」と、へーベルハウスの営業さんから電話があり、工事の仕様変更の書類にハンコください、ということで、昨日、家にやってきた。1枚当たり6W増えるといっても、22枚敷くので132Wちがう。昔なら電球一個分程度じゃん、なのだが、LED照明なら、かなりたくさん、家中明るくできる分くらい違うので、大きな違いだ。
 それから、じゃーん、今回からへーベルハウスとハウスメーカー名実名にしてしまったのだ。なぜかというと、
うちに来た営業さん、いわく、「ブログを拝見したところ、屋根設置方法を、前回「鉄骨にじかづけ」と書かれていたのですが、それは違っていて、屋根のへーベル板に、ITハンガーというものを打ち込んで設置する方法なので、」と教えてくれつつ、暗に「ブログ訂正してね」と言いたかったみたいなのだ。なので訂正するのだけれど、屋根の「軽量発泡コンクリート板」にフックを打ち込む、と書いたら、なんか、すごく強度大丈夫?みたいに見えたので、ここは固有実名「へーベル板」と書いた方がいいなあ。とすると、へーベルハウスだと実名化することになるけど。まあ、前回「屋上で象が飼える」と書いた時点でわかる人にはわかっていたので、そうします。Tさん、いいですよね。へーベル板は、これが発明されたので、あんまりにも画期的に軽くて強いコンクリート板ができちゃったので、それで旭化成さんは住宅事業を始めてしまった、という「へーベルハウスの魂」なのだ。軽くて強くて、だから、それにがっちりつければ、鉄骨までむき出さなくても大丈夫、ということらしいです。昔は私が書いたように鉄骨にアンカーつけて、という設置方法だったらしいのだが、それだと工事も大規模・重量も重くなりということで、今のITハンガーというのでつける工法にしたということ。ITと言っても情報技術は使っていません。板に刺すときに「I」の格好のものが、貫通した後に「T」の格好になるフックなので、ITだって。すごくアナログなITでした。 


それから、こまかな訂正では、エネファームの発電量、前々回650Wと書いてしまったが、カタログ見たら、750Wでした。これも間違い。東京ガスさん、ごめんなさい。

そして、エネファーム設置場所をいろいろ整える外構や、水道メーターパルス化の工事が入り、設置場所近辺に元気に育っていた赤いツル薔薇をどうしよう、という話になり。とりあえずバッサリ刈り込むのは仕方ないとして、根と株のところだけでも残せるなら残してね、と思っていたのが、やっぱりだめで根から抜いてしまったのですが。でも、なんか、我が家の薔薇の中でもいちばん華麗な剣弁高芯の赤バラだったので、あきらめきれず、根っこだけになっちゃったのを、庭の別の場所に植え替えて、「死ぬなー、がんばれー」と肥料や薔薇の根活力剤で一生懸命介抱した結果、ちろっと芽が再生してきました。ばんざーい。写真は昨年咲いてた赤バラくん。アカバラ.jpg

で、今、導入をさらに検討しているのが、家庭用蓄電池。6月13日号の日経ビジネスに、サンヨーのシステムとエリーパワー社のが紹介記事があり。エリーパワーは蓄電容量2キロワットで価格が200万円なのだが、法人向け5年リースで、月3万6千円、というのがあるのだ。いちおう、わたしと妻だけだけしか社員はいないが株式会社なので、法人リースという仕組みも使えるぞ。ほしいなあ。どうしようかなあ。と、エリーパワー社のHPを眺めて思案中。


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台風が来そうです。太陽発電と台風 [プロジェクト進捗報告]

 ここ2週間くらいで、世間の風向きはだいぶ「脱原発」側に傾いてきて、いままで「どっちなんだい、あんたは!」というような態度の爺様方も、「私はそもそも脱原発の立場だったんだが、ずっと」などとテレビでは言い始めている。でも、爺様方は、今、脱原発を進めるために、自然エネルギーをいろんな形で導入しようという人たちに対し、(再生可能エネルギーと書かないと文句つける爺様もツイッターにはいたな)、そう簡単には原発に変わるようにはならないぞ、とぶつぶつ文句を言っている。価格が高いとか安定しないとか。孫さんはなあ、「まず、やるって決める。そして知恵を一生懸命出す」ということを言っているので、そういう大きな決心もできないで、ネガティブなことをブチブチ言って、自分の方が頭いいんだっていうポーズつけて、足ひっぱってんじゃねえ、と言いたい。誰も急に100%再生可能エネルギーにできるなんて思ってない。過渡的段階を、どういうエネルギーで繋いで(LNG火力とか)、原発をできるだけ早く止めながら、転換していけるか考えているんじゃないか。

 そんな中、台風接近で、「文句つけじいさん」の中に、「太陽光を屋根に載せるのも、台風のたくさん来る、木造建築の多い日本ではそう簡単ではない」指摘があって、全戸建の屋根に太陽光パネルつけちゃうぞ、橋本府知事構想に文句をつけたりしているのだが、これについては、実は、ほんとに、台風は怖いのだ。家って、強風に、けっこう弱くて、太陽光パネル設置も、その安全については慎重に設計してからがいいのだ。

 太陽光のパネルは、まあ、大きな板だから、風を強く受ければ、飛ぶ。何十枚も、屋根に「しっかりつけちゃう」と、屋根ごと、飛ぼうとする力が働く。風がパネルと屋根の間に入らないようにしっかり固定してしまうと、熱が逃げなくて、発電効率が落ちる。屋根とパネルの間に隙間があると、風が入って、飛ぼうとする。というようなことがあるみたいなのだ。我が家の場合は、瓦屋根じゃなくて、まったいらな屋上なのでこの場合は角度をちょっとつけて敷設していくのだが。太陽の南中高度に直角に当たるのが当然発電効率はいちばんいいはずなので、30度くらい角度をつけるのかと思いきや、3度とか5度とか、それくらいしか角度をつけないという。これも、角度を立てて設置すると、ものすごく風の力を受けて、パネルが飛ぶか、家全体への力のかかり方が、設計強度上、ものすごく無理、ということになるかららしい。我が家は、大手ハウスメーカーの、「軽量鉄骨プレハブ」3階建てで、地震には強い、屋上で象も飼える、という広告も大昔していた、象が載ってもこわれないサンスター筆入れみたいに強い構造のはずなので、「揺れない家」なんだ、とイメージしていたら。あにはからんや、台風強風のときは、けっこう、揺れる。家を建てて住み始めてから、予想したよりゆらゆら揺れるので「この家、けっこう揺れますよね」と当時営業さんに電話したら「そうです、揺れて力を逃がす構造です」と言われた。そうなんだ。何事もやってみないとわからない。
 とはいえ今まで台風で太陽光パネルが飛んだ、とか、太陽光パネルのせいで、家ごととんだ、みたいなニュースはないから、漠然と大丈夫なんではないか、と思ってはいたのだが。私の場合はハウスメーカー純正のかなり心配性・安全マージン大きくとって強度計算した設計で設置するけれど、サードパーティ、出来るだけ安く設置を検討する場合には、強度計算、設置方法などをちゃんとしてくれる業者を選ぶ必要あり、なのだと思います。
 工事はまだだいぶ先ですが、パネル飛ばさないために、屋上防水の下にある鉄骨アンカーみたいなものに、設置用の足をつけて、それにパネルを付けるという大工事になるらしい。ほんと、けっこう大変なことになっています。

 あと、「相模原市の太陽光補助金は抽選」って前回書いたけれど、今年度は先着順で、まだ間に合います、と営業さんから訂正情報あり、でした。

 見積もり→契約ということをやっていくと、まあ、いろいろ欲張ると、どんどん高くなっていっています。しかし、やはり感覚的には「車を買うのにいろいろ欲張ってオプションつけると高くなる」のとおんなじ感覚ですよね。

 いちばん初めのブログにも書いた通りで、「車を買うくらいの感じて、普通の人が、普通に太陽光発電やエネファームをつけるようになる。」ことが進めばいいと思う。やはり、「パナホーム」とか「トヨタホーム」みたいに、家を売るノウハウだけでなく、家電や車と住宅を一緒に売っているところが強いなあ。パナソニックが藤沢市で始めるコミュニティごとソーラーエコ住宅プロジェクトだと、ちゃんと蓄電池も組み込まれたシステムになっているなあ。うらやましい。と、人を羨んでも仕方がない。もう、始めてしまったんだから、どんどん進めてみよう。「ひとりでもこれだけできるもん」に挑戦するのだ。

 と思っていたら、震災直後のダイム、DIME、201108号に山根一眞さんが、阪神大震災から始め中越地震などを経て10年以上にわたり施してた自宅の震災対策のその後の報告記事を書いていて、すごい。「やりたいな」、と思ったことがまるこ゜と、もうやってある。屋根にソーラーパネル、インバータで100Vにしたほか、12Vバッテリーで常時充電、各部屋に車のシガーライターソケットを配線して、PCや携帯充電、非常用LED照明、深い井戸を2本掘ってその水温で冷暖房、その水を地下に4.5トン貯水。手漕ぎポンプも設置、ソーラーとモーターポンプで人口霧雨で気温低下。すごい。すごすぎる。プロっておそろしい。

 まあ、ここまではできないまでも、どんなことになるか、やってみよう。

 それにつけても、風力発電。ゼファーの風車。つけたいけどなあ。うるさいかなあ。神宮前交差点にあるオープンカフェ横にも設置してあった。割と低いポールに太陽光パネルと風車一体についていて。いいなあ。街中繁華街の騒音の中では、まったく音も気にならないけれど。やっぱり住宅地だとうるさいかなあ。
 神宮前ゼファー風車の写真をのっけて、今日のブログ報告はおしまい。
P1000137.jpg

エネファームと太陽光発電、発注書にハンコついたら、熱が出てダウンしました。 [プロジェクト進捗報告]

さて、報告は、ついにエネファーム(東京ガスの燃料電池・ガスで発電)と太陽光発電、ふたつとも東電とはつながっていること前提のものは、発注してしまいました。やっぱり、高い。まじで安い外車一台分くらいしました。
子供の学費、住宅ローンの繰り上げにとこつこつためた貯金を一気に吐き出し、「えええ震災後の興奮状態で、もののはずみでこんなことしてよかったのかああああ」とハンコをついた後に、強烈な後悔が襲ってきて、熱が出て一日寝込みました。

いろいろわかったこと。まず、エネファームは、けっこう、補助金つきました。全体価格の半分まではいかないけれど、3割分くらいは補助金で戻ってきます。それに対して、太陽光発電は、神奈川県補助金は、スズメの涙、しかも抽選で、「あたったら、ラッキー、まず当たらないと思って期待しないでください」だそうです。新・神奈川県知事が、ソーラーなんとか計画を打ち出して、夏に間に合うように制度を作る、とか言っていますが、我が家には間に合いませんでした。新県知事さん、エネファーム補助金に負けないくらい、補助金つけてあげてください。これからつける人には。

太陽光発電を屋根中に敷き詰めて、出力は4KWくらい。エネファームは昨年型は1Kwの出力があったのに、2011年最新型になって、なぜか発電能力は縮小されて650W。エネファームは停電時には動かない。とほほ。太陽光発電は、停電時の非常用コンセントはついているけれど、蓄電池はなしだから、夏場の昼間にしか使えないだろう。うーん、なんのために始めたのか、主旨がだんだんわからなくなってきた。

それから、工事の段取りを聞いて、またわかったこと。エネファームをつけるにも、太陽光発電をつけるにも、東電にいろいろ申請を出すのはもちろん、工事が全部終わった後に、東電の連携メーターというのを設置してもらって、それの確認工事みたいなのが終わらないと、エネファームも太陽光発電も、稼働させられないということ。

これは、自家発電のついた家の電気が、町全体が停電になったときに、外の電線に逆流して、停電の修理工事をしている人を感電させないように、ちゃんと安全な状態になっていることを確認するなど、たしかに説明されれば必要なことではあるのだけれど、「この夏は東電さんもいろいろ忙しいでしょうから、設置工事がおわった後の連携メーター設置まで、どの程度時間がかかるかは、こちら(ガス屋さんや、太陽光発電やさん)では保証できません、」ということでした。

いわく「夏場の電力不足対策として、自家発電してくれる家庭は大切なはずなので、できるだけ急いでくれるとは思いますが」だそうです。やばいなあ、「脱東電」とか言っているけしからん家庭だから、意地悪してやる、ということでなかなか連携メーター工事してくれなかったら、外車一台分かけたエネファームも太陽光発電も全然動かせないんだなあ。ああああなんか不安になってきた。


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自立障壁たくさん。その1。「突入電流」 アポロ13問題。 [プロジェクト進捗報告]

「こういうプロジェクト立ち上げました」と会う人ごとに話してみる。
と、いろんな人が
「こういうことをやっている人もいるよ」、「こんな会社にはこんな技術があるよ」って教えてくれる。

そうなんだ。自分一人で考えられることや、自分一人で知ることができることなんて、ほんとに限られていて、
こうしてブログを立ち上げてみて、勇気を出して話してみたら、いろんな人が、たくさんの
ヒントや知識やいろいろをくださる。みなさん本当にありがとう。

今日は、そんな中で、僕がまず最初に突き当たった「突入電流」という課題について、書いてみます。
原理的な解決の方向性はなんとなくイメージできていて、
僕が理科系&自作系のひとだったら、きっと電気工作的に、解決できそうな気はするのだけれど、
残念ながら、純・文系、手先超不器用タイプなので、どういう人に頼んだら、具体的解決可能かは
いまのところ、よくわからない。でもまあ、いまのところわかったこと、考えていることを書いてみます。

まず、「欲望が進化を進める」の欲望について、赤裸々な告白から。
太陽光発電や風力発電だけで、夏場に停電したとき、エアコンが使えるようにする」というのが、
すごーく、利己的な、このプロジェクト立ち上げの「どす黒い欲望」のひとつ。

みんなが、暑くて、エアコンなしで苦しんでいるときに、ウォータープラネット事務所だけはエアコンがんがんかけている。「ひどい、停電なのに!」「だってあそこのうちは太陽光発電と風力発電してるから」「うらやましー」ってなったら、みんな、太陽光発電や風力発電、無理してでも始めたくなるでしょう。

こういうのを「不公平、ずるい」といって、批判をすると、世の中は進歩しないと思う。
というのが、資本主義欲望が世の中進化論のスタートです。
僕が小さいときは、エアコンもクルマもカラーテレビもお金持ちの家にしかなくって、
貧乏役人の官舎では、自家用車なんて持っている人はほとんどいなくて、
ウルトラマンもウルトラセブンも、白黒テレビで見ていたから、ウルトラセブンが赤いというのは
駄菓子屋で売っている2枚10円のブロマイドではじめて知ったりした。
エアコンがうちに来たのは、もしかして、中学生になってからのような気がする。
貧乏だったから、こんちくしょー、と思って、「がりがり勉強して金持ちになってやるー」
と思えたんだよね。だから、このプロジェクトは「みんなを助ける」の正反対・
みんなをうらやましがらせ、くやしがらせて、「うちもほしい」ってさせること。
その欲望だけが、世の中を前に進めるのだ。

というわけで、家を建てたときのハウスメーカーの担当営業さんが、今、本社リフォーム担当責任者に昇進されているので、さっそくプロジェクトの意図を話して、相談に乗ってもらったところ、一言目に、

太陽光発電や風力発電の電気容量だと、エアコンは使えない

とのこと。えー、野望一日目にして挫折。なんで?最近のエアコンは省エネで、東芝超省エネエアコンは扇風機より消費電力小さいってメーカーHPに書いてあったのに。ぼくがダダをこねると、元営業さん曰く、
「突入電流、もしくは、起動電流というのがありまして」と説明してくれた。

エアコンは本体と室外機、ふたつとも大きなモーターを動かす機械で、スイッチを入れて立ち上げる瞬間に、ものすごく大きな電流が流れる。運転が始まってしまえば、たしかに省電力型のエアコンなら、消費電力は小さいが、立ち上がりの大電流は、太陽光発電や風力、それにつないだ小さな蓄電池では動かないんですよ。冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、大きなモーターを使う家電製品は、およそみんな同じですよ。だって。停電時に動くのは、ほんのちょっとの電灯、液晶テレビくらいのものなんだって。

えーーーー。ほんと?。

というわけで、この「突入電流」という課題について、考えてみた。
グーグルで「太陽光発電 エアコン」と入れてみると、「基本できません」というページばかりが出てくる。どこを読んでも、突入電流の大きさについての説明ばかりだ。

でもさでもさ。と妻が横から口をはさむ。自動車って、エンジン回して発電して、それをバッテリーにためてるわけでしょ。その発電とバッテリーだけで、カーエアコンとカーナビのフルセグテレビつけて、荷台につんだ小型クーラーバッグで飲み物冷やしたりしても大丈夫なわけでしょ。車の発電機とバッテリーくらいの大きさでエアコンもテレビも冷蔵庫も動くじゃない。クルマの中用掃除機を、シガーライター電源で動かしても大丈夫じゃない。

なるほど、一理ある。家庭用の「フルサイズエアコンとフルサイズ冷蔵庫」を駆動しようとするから、だめなんだ。家の中の、たとえば子供部屋の空間の大きさは、せいぜいミニバンステップワゴンの空間と同じくらいの大きさだ。そこを冷やすだけのエアコンと、ちいさい液晶テレビと、ノートパソコンと、ミニ冷蔵庫くらい、太陽光発電&バッテリーで駆動できないわけがないよな。カー用品のエアコンと液晶テレビとミニ冷蔵庫を備えた子供部屋。そこは停電時でも機能する。はずだ。アイデアはいいぞ。たしかにできそうだ。でもどうやったらいいのかわからない。

電気メーカーのみなさん。突入電流の小さい、太陽光発電だけで動く家電製品、開発してください。

で、このことを仕事先の知人にはなしたところ、「それはね。アポロ13問題と呼ばれているんですよ」と
教えてくれた。宇宙船の故障で、月着陸を断念し、発電能力も酸素も限られた状態で、地球に帰還できるか、
ほとんど不可能と思われた中、創意工夫とあきらめないガッツとで、ついに奇跡の生還を果たす宇宙飛行士たちの感動の映画。あの中で、「20Aしか電流が使えない」という限界の中で、どうやって、帰還までのさまざまな宇宙船の制御をするか、というのが、中心的課題だったのだ。これは、ちょうど、太陽光発電で使える電流量が限られた中で、家の中の家電をどう使えるようにするかと同じ、ということで、電気機器メーカーさんは「アポロ13問題」として、研究が進んでいるとのこと。

繰り返しお願い。太陽光発電と風力発電だけで生活できる、低突入電流家電を、ぜひ、開発してください。

と、ひとまず、お願いした上で、今、できる対策のイメージを練る。

ガソリン発電機などの補助発電機と、無停電連携できるように、太陽光発電や風力発電をつなぐシステムを作って、「起動時だけガソリン発電機」を利用して大電流に対応できるようにする。
とすると、この「無停電スイッチング」みたいなシステムって、どこにあるんだろう。という話になってくる。

ホンダの発電機HPに行くと、50Aの発電機は50万円くらいする。無停電システムというのになると200万円くらいだ。高い。しかも今は被災地で大人気で、納期不明の品切れ状態だ。被災地の方のお邪魔をするわけにはいかないな。将来的課題として棚上げしておこう。

あと、思いついたことを書いておこう。さっきの車の話でおもったのだが、車の発電も蓄電も、それがシガーライターのところに来ている電流も直流だよね。だから、シガーライターアダプターで動く、カー電化用品は、ほとんど直流で動くんだと思う。それから、携帯電話の充電も、ノートパソコンも、交流100VをACDCアダプタで直流に直してからつなぐでしょ、ていうことは、けっこういろんなものが直流で動くんだと思うのだが。そして太陽光発電も風力発電も、直流で発電して、直流で蓄電するわけでしょ。太陽光や風力発電のシステム構成部品の値段をみると、それをわざわざ交流100Vに変換するパワーコンディショナーというのが、すごく高かったりする。これって、なんか、無駄な気がする。直流のまんま、家の中に引いてきて、部屋の中に車のシガーライター端子をコンセントみたいにつけて、それでカー用品を家の中で動かしたら、すごく安上がりに家の中の「直流電化」ができそうな気がする。直流って、交流に比べて危ないのかな。火事になりやすかったりするのかな。そんな改造すると、火災保険にはいれなくなっちゃったりするのかな。あああ、ほんとにわからないことがたくさんある。

電力会社の交流100Vを使うことを前提に、家の中の配電システムはできあがっちゃっているのだけれど、自家発電蓄電する直流を使うことを前提に家の中を配電しなおしたら、実はすごく合理的なんじゃないだろうか。すくなくとも、「交流モーターを使う家電をつなぐ交流100V系」と、「今は結局ACDCアダプターをかませている直流家電をつなぐ、もともと直流系配電自立システム」の二系統があったほうが、便利なんじゃないかなあ。昔ワールドビジネスサテライトかなんかで、家庭内直流化実験をしているハウスメーカーの取材を見たような記憶があるぞ。

と、いろいろなアイデアは頭の中を渦巻くものの。今、商品化されていない技術を、自分でシステムを組んで導入する根性はいまのところないので、現在、導入を具体的に商談として進めているのは
①(東電がつながっていんないと今のところ動かない)東京ガスのエネファーム。燃料電池発電。
②(やっぱり東電とつなげて売電しようかな)という、ハウスメーカー純正、太陽光発電。
③これだけは東電から完全自立している、風力と太陽光をつなげた自立電源システム。
これら三系統を家の中に引きこむと、とりあえず、東電とはまだつながったままだけれど、
かなり「原発の電気は実質使っていないぜ」状態には近づけそうだ。
停電しても、②と③の電気で、ほそぽそと電気は使えるぞ。
というわけで、プロジェクト進捗状況第一段階は、まず「売ってる出来合いシステムをどんどん導入してみる」を進めています。

とはいえ、東電安定電力への依存からの脱却、という究極ゴールまでの道はまだ遠い。
そんなことじゃ、「東電依存のまんまじゃないか!!」と読者の皆さんからはお叱り、ごもっとも。
まずは東電の線はつなげたまま、できるかぎりの自家発電システムょ導入してみてから、
「どの程度、自分で゜発電しただけで暮らせているのか」の検証をしつつ、
より自立度の高いシステム構築のアイデアを妄想し、ここに書き、実現の手段を持っている方を
さがしていきたいと考えています。


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ブログ 「プロジェクト進捗報告」と「裏話」に二分割します。 [プロジェクト進捗報告]

 人生最大の激動の数日間だったかも。いちばんうれしい数日間だったかも。いちぱんじゃないかも。子供が生まれた時とどっちがうれしいかったかな。とにかく、本当にうれしかった。

 ブログを書いた初日は、古くからの友達仕事仲間の人たち数人が読んでくれてほめてくれて。それがすごくうれしくて勇気をもらえて。調子に乗って糸井さんに読んでくださいって、お願いしたら。すぐに、コメントつけてリツィートしてくださって。昼ごはん前に糸井さんにお願いして、戻ってきたらえらいことになっていました。思いもかけないほどたくさんの人に読んでいただいて、コメント励まし期待の声をいただいて。すべての人それぞれにはお返事返せていないですけれど、すべての人に感謝です。
 それから、読んでコメントをくださったり、ツイッターでフォローくださった方の、さらに二倍くらいの方が、このブログまで来て読んでくださったみたいです。ブログって、そういうこともわかるんですね。そういう方にとっては、つまらなかった、から、腹がたった、むかついた、まで、語られない書きこまれないいろんな気持ちがあるんだろうな、と思いました。その無言の批判の意味も、この数日間、考えました。

 まず、いいね、期待してるよ、と声をかけてくださった方の期待にどう応えようか、考えて出したとりあえずの具体策は、ブログをふたつに分けて進めてみよう、ということです。

 期待の声には大きく二種類に分けられます。といきなり分析仕事モードに入ります。私の広告業界での仕事は、こういう風に、いろんなことの意味を分析し、構造化し整理し、広告を作る人が考えるもとの戦略プラットフォームを作ることなのです。ですから、「せっかく読んでやったのに、いきなり分析すんな」とお怒りの皆さま、すみません、職業病だと思ってください。
 
 ひとつめは「具体的エネルギー自立プロセスへの興味と期待」型。どんな方法があるの。いくらかかるの。どれくらい発電できるの。自分にもできるの。そういうことに興味と期待をもって下さった方。
 こういう方の期待にこたえるために私のすることは、ひたすら現実的に、システム導入プロジェクトを進め、具体的報告をしていくことです。今日もガス屋さん、太陽光発電屋窓口になっている住宅メーカーリフォーム課の方と打ち合わせをし、風力発電屋さん二社とメールのやりとりをし、ということを進めています。報告ブログのほうにまとめていきますので、いましばらくお待ちを。

 ふたつめのタイプは、「今、世の中で起きている、原発事故に対し、原発推進派ではないけれど、政治的な反原発運動に対してもどこか違和感があって身動きができず、かつ、推進派も反対派もこぞって節約と我慢のライフスタイルを強要してくる、という流れに違和感を抱いていた方」が、世の中にはたくさんいらっしゃって、本当に実現できるかどうかはともかく、考え方としてなんか、いいかも。気持ちがすっきりしたみたい。という、「考え方ですっきり」型の肯定的コメントをたくさんいただきました。
 で、考えたのですが、これは私の、広告での仕事でもよく言われることなのですが、「自分でもわかっていて、感じていて、でもうまく言えなくてモヤモヤしていたことが、こう言ってくれると、こう説明されるとスッキリした」というおほめの言葉をもらうことは、自慢じゃないが、いや自慢です、よくあります。それでお金を頂いているのです。そういうことを、もちろん「自立エネルギープロジェクト」を進めていくことと、関係ある範囲でですが、書いていくブログ、というのもありではないかと思ったわけです。そのほうでも、喜んでいただけないかな、と思ったわけです。ただ、ひとつめの興味が中心の方からは、「具体的にどの発電方式がどうなった?」と思ってのぞいてみたら、あんまり関係ないゴタクが並べてある、というのは失礼にあたるかな、と思ったわけで、そういう不幸ができるだけ起きないように、はっきり二系列にブログを分けることにします。

プロジェクトの進捗報告は、この「自立エネルギー化計画」で。
それにまつわる、私の考えたことをつづるのは「裏話。話せば長いことながら」で。

プロジェクト進捗のほうに関連して一言だけ、大きな驚きの報告は、「私なんかより、大メーカー大企業たちの動きは速い!」ということです。今日の日経新聞では、東芝とパナソニックが家庭用蓄電池の発売を発表し、ヤマタ電機は家庭用蓄電池販売を発表。シャープも住生活グループ(トステムとイナックス中心のホールディング会社)が環境住宅設備で新会社設立。脱原発などとは一言も言わないで、どんどん私が考えているようなことをビジネスとして進めようとしています。脱原発=反大資本、ではなく、動きを進めることは、絶対可能だと思います。
私も大企業に追い越されないように、急いで、各種発電システムの導入を進めます。

 そして、「裏話ブログ」のほうでは、コメントも残さず、おそらく心の中で私のプロジェクトに「No」の感想を抱いて去って行った方に対して私が想像し、その後考えたことからスタートしたいと思っています。文系文化系文学系思想系興味が強い方にはぜひそちらも読んでいただきたく。アップまでしばらくお待ちを。

 改訂追加情報です。もうひとつのブログ立ち上げました。
http://water-planet-bungaku.blog.so-net.ne.jp/
文科系文学系心のもやもや系の方はこちらも是非。


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